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ピアノメーカーの歴史

2013.08.26 (月)

☆代表的なピアノメーカー
ピアノは世界各国で生産されていて、ピアノメーカーは多数あります。
ここでは、その中で代表的なメーカーについてご紹介します。
特に、スタインウェイ&サンズ・ベーゼンドルファー・ベヒシュタインは三大メーカーとして知られています。
音色については一般的な見解を載せています。

スタインウェイ&サンズ (アメリカ・ドイツ)
歴史
ヘンリー・スタインウェイ(1797~1871)が1853年に、ニューヨーク(アメリカ)に設立。
ヘンリーの死後、1880年に故郷のハンブルグに工場が設立され、両方が活動拠点になっている。
生産工程の80%以上が手作りで、生産台数は年間約4000台。
現在ではホール普及率90%以上を誇る。
また、1991年にスタインウェイの設計で安価なボストンピアノが誕生。
2004年に日本での取扱いが開始された。
製造は日本のカワイである。

特徴
ホールでの使用を念頭に作られている。
何枚も板を張り合わせて作られたピアノケース(胴体部分)により、
響板だけでなくピアノ全体を共鳴させる構造になっている。
よく響くためオーケストラと共演しても消されない。
透明感のある音色で、ジャズやロックなどジャンルを問わず対応できる。
アメリカ製とドイツ製では音色が違う。
ドイツ製の方が輸出に適していて、アメリカ製は基本的に北米のみの出荷らしい。

ベーゼンドルファー (オーストリア)
歴史
イグナツ・ベーゼンドルファー(1794~1859)が1828年に、ウィーンに設立。
超絶技巧のピアニストであるフランツ・リストの激しい演奏に耐えたことで有名になる。
また「インペリアル」という97鍵のピアノを生産していることでも有名。
手作りにこだわり、生産台数は年間約400台。
総生産数が少ないため、知名度の割には日本にあまり存在していない。

特徴
響板とピアノケースに同じ木を使用。
カーブ部分も一枚板を内側に切り込みを入れて曲げている。
響板だけでなくケースも共鳴する。
高貴な音色で、室内楽の弦楽器に合うらしい。

ベヒシュタイン (ドイツ)
歴史
カール・ベヒシュタインが1853年に、ベルリンに設立。
フランツ・リストやクロード・ドビュッシー等が絶賛した名器で、「ピアノのストラディバリウス」と言われる。

特徴
以前は、高音部が総アグラフ式(全ての弦がアグラフと呼ばれる穴の開いたピンの中に弦を通す方式)で、
フレームと弦を完全に分離し、立ち上がりの早い透明感のある音色を作り出していた。
しかし音量にパワーが少なく、オーケストラと共演すると高音部が消えてしまうという弱点があった。
そのため、2003年以降は、高音部のハンマーヘッドを大きくしたり、総アグラフ式から、
高音部をフレームに共鳴させる「カボダストロバー」に変更したりして、音量が弱い点を改良。
音色が変わったようだが、評判は良い様子。

プレイエル (フランス)
歴史
イグナツ・プレイエル(1757~1831)が1807年にピアノ製作を始める。
イグナツは元々作曲家で、ハイドンの弟子。
当時はヨーロッパでかなり人気があったらしい。
また、音楽出版社も立ち上げている。
イグナツの死後、息子のカミュが経営を受け継ぎ、1927年にサル・プレイエルホールを設立。
1832年にショパンがこのホールでデビューコンサートを開く。
カミュとショパンは親交が深く、ショパンはプレイエルを愛用していた。
1961年にガボー社、エラール社と合併。
その後ドイツのシンメル社に買収されるが、
技術者たちはフランスに工場を設立しラモーという名で製作を続ける。
サル・プレイエルも売却されたが、ユーベル・マルティニ(仏)が購入し、1998年にプレイエル社を復活させる。
2006年にサル・プレイエルでのコンサートを再開。
現在フランス唯一のピアノメーカー。

特徴
演奏者が音色の変化を表現しやすい、繊細な音で軽いタッチが特徴。優雅で明るい音色。
デザインも凝っていて、細かい装飾があしらわれている。

ヤマハ (日本)
歴史
山葉寅楠(1851~1916)が、1897年に日本楽器製造株式会社を設立。
1987年に、現在のヤマハ株式会社に社名を変更した。
1900年に初めて国産ピアノの製造を始めるが、部品は外国製だった。
しかしその後、部品も独自に開発し、評価を高める。
1990年には世界最大のピアノメーカーになり、生産台数500万台を越えた。
海外からの評価も高い。
現在では、ピアノだけでなく楽器全般を製造する他、音楽教室やレコード会社等の音楽関連事業や、
AV・IT事業やリビング事業、自動車部品やスポーツ用品に至るまで、手広く活動し、海外にも進出している。

特徴
明るくダイナミックな音色。
高音の伸びがよい。
ジャズピアニストにも人気らしい。
先端技術を駆使した電子ピアノやサイレントピアノ等もある。
白いグランドピアノを製作する等デザインにも力を入れている。

カワイ (日本)
歴史
日本楽器製造(現・ヤマハ株式会社)に勤務していた河合小市が独立し、1927年に河合楽器研究所を設立。
1951年に株式会社河合楽器製作所を設立した。
ヤマハが特約店方式なのに対し、カワイは直営店方式をとっている。
音楽関係以外にも、OA機器やソフトウェア、スポーツ用品等を取扱っている。
音楽ソフト「スコアメーカー」が有名。
クリスタルグランドピアノという透明なピアノを製作していて、
元X-JAPANのYOSHIKIが愛用している。

特徴
ソフトで透明感のある音色。
低音の伸びが良い。
抗菌処理鍵盤で、ピアノメーカーで初めて鍵盤に鉛を使用していない。
電子ピアノの他、消音ピアノや静音ピアノがある。

ディアパソン (日本)
歴史
日本楽器製造(現・ヤマハ株式会社)に勤務していた大橋幡岩が1948年に製作。
大橋は日本楽器に勤務していた頃、
河合楽器製作所創業者の河合小市とともにベヒシュタイン社の技術を学んでいる。
日本楽器が量産化傾向になったのを機に退社し、理想のピアノ造りに専念した。
1979年には、日本のピアノを国際的な水準に高めたということで、勲六等単光旭日章を受けている。
現在は河合楽器製作所が営業権の譲渡を受け、大橋の設計と仕様を受け継いで生産している。
また、オーダーメイドのオリジナルピアノも製作している。

特徴
ベヒシュタインに似た透明感のある音色で、ヨーロッパタイプのピアノ。
高級モデルには、総一本張りの張弦方式を採用している。
これは、一般のピアノの張弦がヒッチピンに掛けて二弦ずつなのに対し、
全ての弦を一本ずつヒッチピンに巻き張弦する方式である。
この方式によって、張弦時におきる弦のねじれと二音にまたがる張力の不均衡を完全に阻止し、
濁りの無いクリアな音色を実現している。
この一本張り方式はベーゼンドルファー等のヨーロッパの名器に採用されているが、
日本メーカーではここだけである。